小児の内分泌疾患に対する検査・治療
小児の内分泌疾患に対する検査・治療
背が低い(低身長)、背が急に伸びなくなった、体重が急に増えだした(肥満など)、急に痩せだした、思春期が思ったより早く来た、思春期がなかなか来ないなど体内の様々なホルモン分泌の異常によって引き起こされる病気があります。すべてが病気ということではないのですが、可能性がある場合は検査をさせていただき、より詳しい検査などについては京都第一赤十字病院など信頼できる病院を紹介させていただきます。
背が低いのが気になる、体重が急に増えたなどは学校検診などで指摘されることも多いと思います。低身長には定義があり、同じ年齢(○才○ヶ月)の子どもさんの平均に比べてどれだけ低いかという指標で、-2SD(SDは標準偏差)以下を低身長と言います。但し低身長=病気ではなくそのほとんどが正常(体質的に小さいだけ)です。しかし中には病的なものも含まれるので受診して相談してください。その際には、過去の身長、体重の記録が必要となります。成長曲線上に身長を付けていくと大体病的なものかどうかが判断できます。肥満に関しても、肥満度という基準があります。その身長における標準体重の何%体重が多いかという基準です。20~30%が軽度肥満、30~50%が中等度肥満、50%以上が高度肥満です。高度肥満の場合は医療的に介入が必要ですので必ず受診してください。
夜尿症に関しては、病気という認識がない方が多いと思います。ほとんどの場合、思春期が来る頃には自然に治まります。しかし、小学校入学後に連日おねしょがある場合は、こどもの精神的負担なども考えて治療を考慮してもよいのではと思います。尿検査など簡単な検査だけで治療を開始することができます。夜寝る前に水なしで飲める夜間の尿量を減らすホルモン剤を投与します。また夕食後の水分摂取の制限など日常生活でできることなども指導させていただきます。
最近、日本人も思春期の初来が早まる傾向にあります。特に女児において顕著と思われます。ただあまりに早い思春期の初来は、精神的にも影響がありますし、また最終的な身長にも影響を及ぼします。
女児で
男児で
は「思春期早発症」の可能性がありますのでご相談ください。
男児の場合は器質的な疾患が隠れている可能性があるので注意が必要です。女児の場合も最終身長に影響を及ぼすことがありますのでできるだけ早めに受診してください。学校での身長測定で急に身長が伸びだしたというのもサインですのでご注意ください。
思春期前後には、朝起きられない、午前中調子が悪い、頭痛や嘔気、腹痛を訴える、何となく身体がだるくてなど不定愁訴と思われる症状が出やすくなります。自律神経という神経のバランスが崩れやすくなって起こる症状の事が多いのですが、学校に行けないなど日常生活に支障をきたす場合もありますので気軽にご相談ください。時間がかかるような場合は、予防接種の予約枠などを利用して診療いたしますのでお申し出ください。必要に応じて専門医などを紹介することも可能です。