この11月の末に、『栄光のバックホーム』という映画が公開されます。阪神ファンの方ならよくご存じでしょうけれど、2023年に28歳の若さでこの世を去った元阪神タイガース、横田慎太郎選手の物語です。金本監督に抜擢され、外野のレギュラーの一角を取ろうとしていた矢先に脳腫瘍が判明、手術、抗がん剤治療目的の入院とリハビリを繰り返しましたが、視力は回復せず引退を余儀なくされた選手です。2軍のホーム球場(鳴尾浜球場)で行われた引退試合で、8回から守備に就き、ランナー2塁からのセンター前ヒットを好捕、ノーバウンド送球で本塁タッチアウトとしたのが『奇跡のバックホーム』と言われるプレーです。その時、彼の視界はものが2重に見える状態で、ボールを取ることさえ困難な状態だったようですが、それでも野球の神様が彼に最後のプレーを完璧に遂行させました。当時から話題になっていましたが、引退後彼は自身の経験を色々な場所で講演し、少しでも皆に勇気を与えようと全国を奔走していました。しかし、病には勝てず2023年に神戸のホスピスで静かに息を引き取りました。その年、阪神タイガースは18年ぶりに優勝しましたが、優勝決定試合の最後、クローザーの岩崎投手がマウンドに上がる際、横田選手の入場曲だった「栄光の架け橋」で登場し、甲子園全体での大合唱になり、多くのファンが涙したシーンが目に焼き付いています。また優勝後に、岩崎投手が胴上げされる時に、横田選手のユニフォームを掲げていた姿が感動的でした。もう少しで、タイガースのスター選手になれたのに、志半ばでその生涯を閉じることになった横田選手ですが、本当に強い方だったんだなと改めて思います。映画『栄光のバックホーム』は彼の人生が描かれています。60年以上も漫然と生きてきた者としては、ただ恥ずかしくとても足元にも及ばない人生だと思いますが、残りの人生少しでも世の中の役に立てるような生き方をしないといけませんね。自戒を込めて映画は観たいと思いますが、タオルが一杯いりそうで映画館で観るのは辛いかもです。ご興味がある方は是非ご覧ください。
奇跡のバックホームと言われるプレーを知っていますか?


