令和7年12月1日をもって、現在発行されていた保険証の期限がすべて切れたことになりました。
これによって、保険証は完全にマイナンバーカード(マイナ保険証)に移行することになりました。そもそも国がマイナンバーカードを進めるにあたって、まず紐づけるべきものとしてなぜ保険証を選んだのでしょうか・・。そこには止まることの医療費の高騰が関連しているようです。現在の医療費は年間約50兆円で、年々上昇しています。超高齢社会であり、医療費が膨らんでいくことはしょうがないことですが、少子高齢化で保険料を実際払っている現役世代が減少傾向であるのに対し、多くの受給者である高齢者は増加し続けています。国としては、消費税を財源に充てながら何とか予算を確保していますが、それも限界で、かといって消費税の増税はできないでしょうし、最近では現役世代の保険料を減らそうとする政策が進められています。このような状況で医療の効率化は最大の課題となっているわけです。少しでも無駄をなくし、医療費を削減しようというその方法の一つが、マイナ保険証です。保険証が電子化されるだけでなく、個人の様々な情報(病歴や投薬歴など)を医療界全体で共有し、重複している検査や投薬などできる限り無駄な医療費を減らそうとする試みです。そのこと自体は必要なことであり、医療のDX化(デジタルトランスフォーメーション)による効率化は進めるべきものと個人的には考えます。しかし、一般の方には見えずらいですが、国が早急に事を運んでしまっているだけでなく、現場に丸投げしているのが現状です。必要な機器に対する補助金などは出しますが、それですべてが補えるわけではなく、クリニックの金銭的負担も増えています。また実際受付の現場で対応するスタッフの大変さなどあまり我々に大きなメリットはありません。しかし、保険診療という公的な制度に依存している我々は、表立って抵抗することもできず粛々と受け入れるしかないのです。少し愚痴になってしまいましたが、患者さんにはマイナンバーカード持参のご協力をお願いするしかありません。従来の保険証を残して欲しいという要望は医師会はじめいろいろな所から出されていますが、おそらく難しいでしょう。大きな波に乗って適応していくしか道がないのが現状です。荒波に飲み込まれてしまわないようにしていかないとですね。
保険証が廃止されマイナンバーカードに


